2019年10月に購入してから約8ヵ月程愛用していたBose NC 700が、1週間程前から起動しなくなってしまったため、対処方法を探して解決した。

BOSE NOISE CANCELLING HEADPHONES 700 ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン Amazon Alexa搭載 トリプルブラック
- 発売日: 2019/09/12
- メディア: エレクトロニクス
今のところ対処方法の日本語情報が見当たらなかったので、メモとして記録しておく。
注意事項 / 免責事項
当記事内で紹介する対処方法を実行すると、メーカーの保証対象外となり、また機器が完全に故障する場合があります。
記事内の情報で発生した損害について当方では一切責任を負いません。全て自己責任で実施するようお願いします。
不安な方はメーカーサポートから正規のルートで問い合わせをしましょう。
結論
- 今回の問題はファームウェア1.4.12に内包されていると思われるバグに起因している可能性が高い
- 非公式手順に基づくファームウェアダウングレードを行うことで、再度ヘッドホンが起動するようになった
症状
- ヘッドホンを通常利用している最中、突如電源が切れる
- 以後、電源をONにしても起動音が鳴っている最中に電源が切れる
- USB-Cケーブル横のLEDインジケータ赤白に点滅する
対処方法
Redditのスレで紹介されている手順に沿ってファームウェアダウングレードの手順を実施する。
私の環境はWindowsなので、macOSでは動作確認していないが、手順は記載しておく。
ちなみに、公式フォーラムのBoseカスタマーサポートっぽい人のレスではファクトリーリセット(正確にはプロダクトリセット)を実施するように書かれているため、手順通りに実行したが直らなかった。
Windows
- (既にBose Updaterを起動してしまっている場合は)タスクバーから起動中のBose Updaterを見つけ、右クリック→Exitで終了する
- BOSEUPDATER.EXEをここからダウンロードする
- ダウンロードしたEXEファイルを
C:\Program Files (x86)\Bose Updater
に配置(置換)する - 配置したEXEを実行する(警告が表示される場合は許可する)
- NC700をPCに接続し、https://btu.bose.comにアクセスする
- 以下の画面に変わるまで待機する
(手順実施後に撮影したため、既にバージョンが下がっている)
- 画面が上記になったら、
a
d
v
↑(上矢印キー)
↓(下矢印キー)
を順番に押す - 下記画面に切り替わる
(手順実施後に撮影したため(略))
- ファームウェアのバージョンを選択し(今回は1.3.1を選んだ)、
Update Now
をクリックする - アップデート処理が完了するまで待機する
macOS
- Bose Updaterを既にインストールしている場合は削除する
- Bose Updater appをここからダウンロードする
- ダウンロードしたBose Updater appを
Applications
フォルダに配置する - ターミナルを開き、
xattr -cr /Applications/"Bose Updater.app"
を入力、実行する
以下Windowsの5以下と同じ手順を実施する。
所感
Boseのヘッドホン/イヤホンはNC 700の前にQuietControl 30を使用していました。

Bose SoundSport wireless headphones ワイヤレスイヤホン ブラック
- 発売日: 2016/06/24
- メディア: エレクトロニクス
ハードウェアとしての品質はどちらも満足いくものです。
ただ、以前からソフトウェアが劣悪・貧弱すぎる点が気になっていましたが、まさかソニータイマーならぬBose遠隔地雷のようなもので(悪意はないにしても)製品が起動しなくなるとは思いませんでした。
個人的には、ソフトウェアにバグが出てしまうのはしょうがないですし、最悪今回のように製品自体が起動しなくなってしまうというのもギリギリ許容できます。
ただそういった問題が発生した場合のレジリエンシーとでも表現したらいいのか、以前のバージョンにロールバックする術が公式から提供されていないのはとても不満です。
フォーラム等でエンドユーザーと接するカスタマーサポートと、恐らくバグを把握しているであろう製品開発チームとの連携が皆無に見える点も気になります。
今回のケースと似た問題に関する質問は公式フォーラム上のスレッドでも散見されましたが、リプライしている公式のカスタマーサポートの手順が役立っていることはほとんどないにも関わらず、馬鹿の一つ覚えのように同じトラブルシュート手順を紹介しており、ユーザーエクスペリエンスを損なう一因になっていると感じます。
製品の利用という最低限の品質に問題をもたらすバグや問い合わせには迅速に応答する必要があると思います。
なんせ無線ヘッドホンの中ではかなり"プレミアム"な価格ですから、購入者はこんな糞みたいな問題に巻き込まれて、サポートセンターに機器の送付、その間の製品利用の中断といった体験はしたくないわけです。
昨今のコロナ禍の中、迅速なカスタマーサポートが難しいのは分かりますし、バグの修正も計画通りに進めることが困難となっていることもある程度察することはできます。
ただ本を正せば、今回の問題はBoseがソフトウェアの重要性を軽視しているところに端を発していると思います。
他の競合からはだいぶ出遅れている完全ワイヤレスイヤホンも、Boseの新作を楽しみに待っていましたが、このようなユーザー体験を与えられるくらいなら購入を控えるかもしれません。
今後の改善に期待します。